2025年最新!GX志向型住宅の基準とは?子育てグリーン住宅支援事業の補助金交付条件も解説
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住宅の省エネ性能の重要性が高まるなか、「GX志向型住宅」が注目を集めています。GX志向型住宅は、環境性能と快適性を高いレベルで両立する省エネ住宅であり、住宅省エネ2025キャンペーンの一環として実施される「子育てグリーン住宅支援事業」の補助対象にもなっています。
この記事では、GX志向型住宅の4つの基準を詳しく解説します。併せて、子育てグリーン住宅支援事業の最新情報についても紹介します。
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GX志向型住宅の4つの基準
GX志向型住宅は、単に省エネ性能が高いだけでなく、地球環境への配慮と住む人の豊かな暮らしを実現するための4つの基準が設けられています。まずは、GX志向型住宅の概要を見ていきましょう。
そもそもGX志向型住宅とは?
GX志向型住宅とは、グリーントランスフォーメーション(GX)の考え方を適用した、次世代型の高性能住宅のことです。GXは、温室効果ガスの原因となる化石燃料からクリーンエネルギー中心の社会へと変革する取り組みであり、2050年カーボンニュートラル達成に向け、各分野でさまざまな施策が行われています。
住宅分野においても、GX志向型住宅の普及を通して、カーボンニュートラルへの貢献が求められているのです。以下では、GX志向型住宅の4つの基準について詳しく解説します。
① 高い断熱性能
GX志向型住宅では、7段階ある断熱等性能等級(断熱等級)において、上から2つ目の断熱等級6を満たしていなければなりません。具体的には、室内外の熱の出入りのしやすさを表すUA値と、冷房期における日射熱の室内への入りやすさを表すηAC(イータエーシー)値が、それぞれ定められた基準値以下になることが必要です。
これは、快適な住まいを実現するための断熱性能をグレードで示した「HEAT20」(※)のG2グレードに該当する性能です。
断熱等級、HEAT20ともに地域によって基準値が異なります。長野県の場合、長野市・松本市・上田市の一部が区分4、岡谷市や茅野市、佐久市などが区分3に該当します。区分3・4の基準値を示すと次のとおりです。
・断熱等級6の基準
地域区分 |
UA値 |
ηAC値 |
区分3 | 0.28以下 | ― |
区分4 | 0.34以下 | ― |
・HEAT20 G2グレードの基準
地域区分 | 暖房期最低室温 | 15℃未満の面積割合 |
区分3 |
おおむね13℃を 下回らない |
8%程度 |
区分4 | 15%程度 |
※HEAT20とは、一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会が提唱する住宅の断熱性能基準。G1からG3のグレードがあり、数値が高いほど断熱性能が高い。従来の省エネ基準よりも厳しい基準で、快適性、省エネ性、健康性の向上に寄与する。
② 大幅な一次エネルギー消費量削減
住宅で消費されるエネルギー量を大幅に削減することも求められます。これは「設計一次エネルギー消費量」という指標で評価され、国が定める標準的な住宅(基準一次エネルギー消費量)と比較して、どれだけ削減できているか(BEI)で示されます。
GX志向型住宅は、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上が基準です。この基準を達成するには、断熱性能の向上に加え、空調・給湯・照明などの各種住宅設備において、エネルギー効率の高い機器を導入することが欠かせません。
③ 性能が一定以上の再生可能エネルギー設備の導入
GX志向型住宅では、エネルギー消費を削減するだけでなく、エネルギーを創り出すことも重視されます。そのため、一定以上の性能を持つ、太陽光発電システムなどの再生可能エネルギー設備の導入が必要です。
具体的には、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量について、基準一次エネルギー消費量から100%以上削減する必要があります。太陽光発電システムや蓄電池の導入により、家庭で消費するエネルギーのほぼすべてを再生可能エネルギーで賄うことが求められるでしょう。
④ 高度なエネルギーマネジメント
エネルギー消費量を抑えるためには、その使用状況を把握し、管理する仕組みが必要です。GX志向型住宅では、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を導入する必要があります。HEMSの基本的な機能は、住まいにおけるエネルギーの使用状況を「見える化」することです。
「子育てグリーン住宅支援事業」では、HEMS導入にあたって、一般社団法人エコーネットコンソーシアムが指定する「ECHONET Lite AIF仕様」対応の「コントローラ」の設置が補助要件として定められています。
GX志向型住宅とZEH住宅の違い
GX志向型住宅とZEH住宅は、どちらも省エネ性能の高い住宅ですが、その目的や範囲に違いがあります。以下に主な比較ポイントをまとめました。
GX志向型住宅とZEHの主な違い
項目 | GX志向型住宅 | ZEH |
主な目的 | 脱炭素化への貢献と快適性向上による持続可能な住まいづくり | 年間のエネルギー収支がゼロになる住まいづくり |
断熱性能 | 断熱等級6以上 | 断熱等級5以上 |
一次エネルギー消費量 | 35%以上の削減率 | 20%以上の削減率 |
再生可能エネルギー | 必須(太陽光発電、蓄電池などの導入が必要) | 必須 |
特徴 | エネルギー収支以外の幅広い環境配慮が求められる | エネルギー収支に特化 |
GX志向型住宅はZEHよりも全体的に基準が厳しくなっています。さらに、エネルギー収支以外にも幅広い環境配慮の基準が設けられていることから、ZEHよりも多角的な視点での環境性能や快適性を追求する住まいといえるでしょう。
GX志向型住宅を選ぶメリット
GX志向型住宅は、環境に優しいだけでなく、住む人にとっても多くのメリットがあります。具体的にどのようなメリットが期待できるのか見ていきましょう。
高い省エネ性能で光熱費を削減
GX志向型住宅を建てると光熱費を削減できます。高い断熱性と気密性を備えた家は、外気の影響を受けにくく、冷暖房にかかる電気代を節約することが可能です。加えて、高効率な給湯器やLED照明などを採用するため、使用時の消費エネルギーも少なくなります。
場合によっては、年間の光熱費を従来型住宅よりも数万円単位で削減できる可能性があります。太陽光発電や蓄電池の導入で余剰電力による売電収入を得られれば、さらに経済的メリットは大きくなるでしょう。
一年中快適な室温で健康的な暮らし
GX志向型住宅は外気の影響を受けにくいため、「夏は涼しく、冬は暖かい」住環境を実現できます。冷暖房への依存度を減らせるため、健康的に暮らせるようになります。また、部屋間の温度差が少ないので、冬場のヒートショックや夏場の熱中症のリスクを低減することにもつながります。
加えて、結露の発生を抑えられるのもポイントです。結露によるカビやダニの発生を防げるので、アレルギーを防止する効果も期待できます。
資産価値の維持向上につながる可能性
2025年4月の建築基準法改正により、新築住宅における省エネ基準適合が義務化されました。省エネ住宅の基準は段階的に強化される予定で、2030年までにZEH水準への適合が義務化される見通しです。
現時点で高性能なGX志向型住宅は、こうした将来の基準変化に対応しやすく、長期的にその価値を維持しやすいでしょう。中古市場においても、光熱費が安く快適性の高い住宅は評価されやすい傾向にあります。環境性能への関心も高まっていることもあり、GX志向型住宅を選ぶことは資産価値の維持・向上に効果的といえるでしょう。
補助金制度の対象となり初期費用を抑えられる
GX志向型住宅を建てることで、国などの補助金制度を活用できる場合があります。後述する「子育てグリーン住宅支援事業」を筆頭に、省エネ性能の高い新築住宅に対する支援が積極的に行われています。
補助金を上手に活用すれば、高性能な住宅にかかる初期費用負担を大きく軽減できます。新築時には各制度の最新情報をチェックし、申請し忘れることがないよう注意しましょう。
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GX志向型住宅が補助金の対象!子育てグリーン住宅支援事業の概要・条件
住宅省エネ2025キャンペーンの一環として、2025年に実施される「子育てグリーン住宅支援事業」は、GX志向型住宅が補助対象の一つです。この制度は、子育て世帯や若者夫婦世帯を中心に家づくりの支援を行うことで、省エネ性能の高い住宅の普及を促進するのが大きな目的です。
新築住宅において、補助の対象となる住宅の種別、世帯、補助金額を以下の表にまとめました。
【新築住宅における「子育てグリーン住宅支援事業」の概要】
補助対象住宅 | 補助対象世帯 | 1戸あたりの補助額 | 既存住宅を解体する場合の加算額 |
GX志向型住宅 | 全世帯 | 160万円 | なし |
長期優良住宅 |
子育て世帯・ 若者夫婦世帯※ |
80万円 | 20万円 |
ZEH水準住宅 | 40万円 | ||
※子育て世帯:2006年4月2日以降に生まれた子どもがいる世帯 ※若者夫婦世帯:夫婦のいずれかが1984年4月2日以降出生の若者である世帯 |
出典:子育てグリーン住宅支援事業「注文住宅の新築」
子育てという名前が付いていますが、GX志向型住宅を新築する場合、全世帯が補助対象となるのがポイントです。
なお、土砂災害特別警戒区域や災害危険区域など、補助対象外となる立地要件が設けられている点には注意が必要です。購入する土地が要件に該当していないかを、あらかじめチェックしておきましょう。
補助金申請手続きの流れと注意点
「子育てグリーン住宅支援事業」申請時の手続きの流れと、申請にあたって特に注意すべき点について解説します。
「子育てグリーン住宅支援事業」申請手続きの流れ
補助金の申請から受け取りまでの大まかな流れは、以下のステップで進みます。
1. グリーン住宅支援事業者と工事請負契約を締結する
「グリーン住宅支援事業者」として事前登録している住宅会社や工務店と、建築工事の請負契約を締結します。
2. 交付申請(予約も可能)
請負契約の締結後、対象工事が一定程度完了したら、事業者が事務局へ補助金の交付申請を行います。予算確保のための予約申請も可能です。
3. 交付決定
事務局が申請内容を審査し、要件を満たしていれば事業者へ交付決定通知、施主へ交付決定のお知らせが送られます。
4. 実績報告・請求
事業者が実績報告とともに補助金を請求します。
5. 補助金交付・工事完了報告
補助金は事業者へ支払われ、建築費の精算時、最終支払いの一部に充当する形で施主に還元されます。引渡し後、事業者は期限までに工事完了報告を実施します。
申請手続きは原則として事業者(施工会社)が行います。施主は、手続きがスムーズに進むよう、各段階で必要な書類(本人確認書類、住民票等)を速やかに準備しましょう。
申請にあたっての注意点
補助金を確実に受け取るためには、いくつか重要な注意点があります。
まず、事前に事業者登録を済ませた「グリーン住宅支援事業者」に施工を依頼する必要があります。契約前に事業者登録をしているか、必ず確認しましょう。
次に、交付申請や完了報告には期限が設けられています。これを過ぎると補助金は受けられません。加えて、国の補助金は予算に上限があるため、申請額が予算に達すると、申請期間内でも予告なく受付を終了することがあります。
補助金を活用する場合は、事業者としっかり連携し、なるべく早めに申請手続きを行うことが重要です。
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GX志向型住宅の4つの基準は、いずれも高い環境性能を満たすものです。GX志向型住宅を建てれば、脱炭素社会の実現に貢献できるだけでなく、光熱費の削減や快適性の向上など、暮らしの面でも多くのメリットを受けられます。
高性能な家づくりには費用がかかるものの、2025年の大型補助金施策である「子育てグリーン住宅支援事業」を活用すれば、最大160万円の補助を受けることが可能です。
GX志向型住宅を希望する場合、地元での高性能住宅の施工実績が豊富な住宅会社に依頼することをおすすめします。
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監修者:間 雅博(はざま まさひろ)/宅地建物取引士